2012年7月28日土曜日

橋本徹氏の文楽批評への有栖川有栖氏のコメントが素晴らしい。

双頭の悪魔 (創元推理文庫)

長年文楽を見続けてきた作家の有栖川有栖さん(53)は橋下市長について「文化行政に一石を投じた」と評価しながらも、「最近の相次ぐ発言は高い芸を磨いている文楽の人々を侮辱するもの。どんな芸術でも、一、二回見ただけでわかる人はほとんどいない。知識を深めたり何度も見たりしながら好きになっていく。もし、橋下市長のように『僕の感覚』で文化を取捨選択するなら、大阪ではその基準の文化しか残らない」としている。
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/120728/lcl12072800150000-n2.htm

ふーむ。文楽関係の氏のコメントをMSNとかで読んでいて、「思ったままのことを言わはったwww」とか、思っていたけど、なんか、ざわっとしていたのは、こういう部分にあるのかも知れない。

 

有栖川有栖さんが言われる「一石を投じる」というのは、収益性の部分とか、そういう部分だと思うのだけど、まぁ、文楽を楽しむ人が増えたほうが、伝統芸能としては、良い訳で、そのためのアイデアとか、間口を広げるとか、ハードルを下げるとか、あっても良いと思う。

 

私は、「エヴァ文楽」とか良いと思う。ヤシマ作戦とか。

 

でも、それとは別に、知識、じゃあなくても、理解がないままに、「思ったことを言う」のは、どうなのか?というのを気付かされた。私が、文楽を観に行って、「面白くなかった」とブログに書くのとは、レベルが違うと思う。

 

お金が出ているか、出てないかで言えば、出てないのだろうけど、文化とか、伝統とか、人が積み上げてきたモノが、個人の感覚で、切り捨てられるなら、日本の良い部分というのは残らないかも知れないな。

 

勿論、集客等々を、よりよくする・・・というのは、同時に考えた方が良いと思うけど。